家族の誰かや親戚など自分の近しい人が亡くなった場合、昔から形見分けをしたりします。
一般的には相続などお金に関する問題もありますが、ここでは遺品整理や形見分けについて書いていきたいと思います。
形見分けについては昔の人は親戚などが集まって、故人が持っていたものをみなで分けて、いらないものは処分するという形が多かったと思います。
しかし形見分けでも高価な貴金属があった場合などはトラブルのもとになりますので、事前にしっかりと知識として覚えておくと良いでしょう。
形見分けと遺品整理との根本的な違い
遺品整理にしても形見分けにしても必要なものや欲しいものを残しておいて、不要なものは処分するということに変わりはないですが、そもそも形見と遺品とは同じではありません。
特にこうした知識は身内で集まった時のトラブルにも役に立ちますので覚えておいて損はないでしょう。
まず形見と遺品と同じような言葉にも聞こえますが、実はその言葉自体にも大きな違いがあります。
というのも形見という言葉は、生きている人にもらったものであっても形見と呼ぶことがあります。例えば今生の別れをした人からもらったものであれば、それは形見と呼ぶこともあるということです。
対して遺品の場合は、亡くなった人が持っていたものに対してしか使えません。生死は分からないけど、長期間に渡って行方不明になっている人のものは形見と呼ぶことはあっても、遺品と呼ぶことはありません。
もう一つはその品物の対しての思い入れがあるかどうか、と言う点です。形見という言葉はよく「父親の形見」といった感じで用いられて、その人がその品物をとても大切にしているイメージがあると思います。
対して遺品については、故人が所有していたり、身につけていたものというだけで、特に思い入れはなくても故人が残したものはすべて遺品と呼ばれています。
ちなみに形見は相続税の課税対象ではないので、相続財産にはなりません。但し、あくまでもこれは形見が高額なものでない場合で、高額な宝石や時計、指輪などに関しては遺産となり、相続税の課税対象になる場合もありますので、注意が必要です。
遺品の処分方法
ひとくちに遺品と言っても品物によって処分方法も変わってきます。基本的には残しておきたいもの、処分したい物に分けるのが先決です。
大きく分けると衣類や布団類などの布類、タンスやベッド、机などの家具類、、電化製品、貴金属などのアクセサリーや宝石類、手紙や写真、住所録などの書類、完全な不用品類などです。
まず一番は絶対に不要だと思われるもの、ゴミ屋敷に近い状態の家だとまずは不用品をすべて除去するだけでかなりきれいに片付きますので、その後の遺品整理はかなり楽です。
衣類や布団類
衣類や布団類についてはブランド品や価値の高いもの、使えそうなものなどはおいておき、不要なものは処分することになります。
ブランド品などについては場合によっては高価で買い取ってもらえる可能性もあるため、分からない場合はまとめて保管しておき、買取店に査定してもらうと良いでしょう。
また、生前に故人と仲の良い人がいれば、その人に譲るという選択肢もあります。布団などは買取が難しいものも多いので処分するケースが多いです。
タンスやベッドなどの家具類
大物家具については一番処分に困るものだと思いますが、古いものなど家具によっては高く売れるものも中にはありますので、一度買取査定に出してみても良いでしょう。
不用品回収などで持って行ってもらう方法もありますが、思わぬ高値が付くこともありますので、査定をおすすめします。ネットなどで同じような家具がどれぐらいで売られているかを調べてみるのも良いでしょう。
どうしてもすぐに処分したい場合は市町村の粗大ごみとして出すか、不用品回収業者にお願いするかのどちらかになるでしょう。
家電類
電化製品については使えるもの、使えないもので分けて、使えないものは粗大ごみとしての処分となります。使えるものであれば、誰かに譲るか自分で使うかになりますが、誰も使う人がいない場合は、リサイクルショップに持っていくか、ネットのフリマなどで売るのがいいでしょう。
なお、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、エアコンに関しては、家電リサイクル法の対象製品になりますので、自治体で処分することはできないため、粗大ごみに出すことはできません。家電店に引き取ってもらったり、業者に委託して回収してもらう等になります。
貴金属や宝石類
時計や指輪、ネックレスなどのアクセサリー類については高価なのものも交じっていることもあるので、買取業者などに持ち込んで査定してもらうのも良いでしょう。
宝石類は故人が身につけていたものも多いので、形見として親族で分け合うというのも良いでしょう。昔はこうした宝石類は形見分けでみなで分け合っているところが多かったと思います。
もし買取に出す場合でもこうした宝石類は高価なものもあるので、自分一人で勝手に判断しないでみんなで話し合ってから決めるようにしないと後でトラブルになる恐れもあるので気をつけましょう。
昔の写真や手紙類
故人の写真や生前やり取りした手紙類ですが、思い出の品として保管しておくかどうかは自分たちで決めることになります。手紙などは処分する人も多いですが、写真などは思い出として残しておく人も多いようです。
写真については量が多い場合は、デジタルデータにして保管しておくという方法もあるので、少し手間はかかりますが、保管場所に困る場合はすべてデータにしてしまうという方法がおすすめです。
やり方としては専用のアプリなどを使って自分でやることもできますし、写真屋さんなどに持ち込めばやってくれるところもあります。
高画質で残したいのであれば写真用のスキャナを買ってきて、1枚ずつ取り込んでいくという方法がおすすめです。枚数が多いとかなり時間がかかりますが、高画質で写真を残すことが可能です。
また、故人が高齢の方の場合は戦前戦後の写真なんかもあると思いますが、こうした昔の写真や戦時中や終戦後の写真を集めているコレクターもいるので、不要な場合は処分せずに買い取ってもらえることもあります。
形見分けのやり方
形見の品は故人が身につけていたものや、日常的に使用していたものなどが中心になります。
例えばアクセサリー類や時計、筆記用具などでしょうか。故人との思い出の詰まった品が形見となります。
形見の品は中には高価なものもあると思いますが、極端に高価なものなどを分ける場合はトラブルを招く場合もありますので注意が必要です。基本的にはあまり高価なものは形見分けしないほうがいいでしょう。
形見分けを行なう場合はできるだけみなで集まって、その場で全員の同意を得ながらやっていくのが望ましいです。自分たちだけで勝手に決めてしまうと後々トラブルになりがちです。
遺品整理を業者に依頼するには
形見分けに関しては親族や故人と特に仲の良かった人だけで集まって行なうことになりますが、遺品整理についてはあくまでも整理なので、業者などに依頼することも多いです。
特に所持品が多い場合や故人が一人暮らしをしていた場合などは、生活用品なども含めて多くのものがあると思いますので、形見分けをする品と処分する品を分けるのが先決です。
この作業は自分たちだけでやる必要はないので、専門業者に依頼することもできます。遺品整理の相場は片づけをする家や部屋の広さや不用品の量などによって変わってきます。処分品が多ければ処分するための費用がかかってしまうため、その分料金もあがります。
遺品整理はそれこそ業者によって料金はバラバラなので、いくつかの業者に問い合わせてみてお見積りを取ってみると良いでしょう。
最近では一括見積などでまとめて複数業者に依頼することも可能なので、一度ネットで調べてみると良いでしょう。